サポイン補助金の書くべき内容を審査項目から予測 ~パート1~

サポイン補助金

2月4日に近畿経済産業局で行われたサポイン補助金の説明会に参加してきました。
本コラムでは、【注意点】と【何を書けばいいのか?】をお伝えいたします。

※注意
当社独自の見解も含まれておりますので、申請前には管轄の経済産業局にお問合せして頂きますようお願い致します。

サポイン補助金の簡単な概要


補助対象期間は2年間or3年間です。
補助金額は合計9,750万円まで、1年で全額を使って良いわけではなく、単年の上限は4,500万円までとなっています。
2019年4月24日17時までに申請を完了させる必要があります。

注意点①申請を行うフロー


申請はe-Radと呼ばれるシステムを使って申請をする必要があります。
大きな注意点としては、先に「中小ものづくり高度化法に基づく特定研究開発等計画の認定」と呼ばれる法認定を申請する必要がありますが、以下の点で注意が必要です。

先にe-Radを使って、サポイン補助金の申請を行っておく必要がある。
・その上で、紙ベースで法認定を受ける必要があります。

理由は、審査機関である経済産業局が、法認定を受ける段階でe-Radで登録されているサポイン補助金の申請内容と合致しているかを判断するからです。

注意点②予算の枠組みが大事


採択時の予算を徹底的に詰めておく必要があります。理由としては、1年目に高額の設備投資なり研究開発を行う予定で予算を組んでいた場合、仮に2年目にずれ込んだ場合は2年目に組んだ予算から支出する必要があります。
イメージとしては1年目、2年目、3年目に使う各年度の予算を決めて、その通りに実行しないと、1年目で3000万円を使う予定が、後ろにずれ込んだことでその3000万円を1円たりとも使用しないということが起こりえます。
ですから、補助額が4,500万円の1年目についてはどういった設備投資を行うか?研究開発のためにどういった支出を行うかをある程度詰めた上で、スケジュール組みが必要です。

何を書けばいいのか?①審査項目を読み解く


以下が今回の審査項目です。
特に厳しく審査されると想定される部分をマーカーし、下記にまとめました。

Ⅰ.技術面からの審査項目
序文:研究開発目的が明確で実施可能な研究開発体制を有している
①:対象の技術が、新規性、独創性又は革新性を有すること。
②:川下製造業者の要請を踏まえた目標
③:体制については、異分野・異業種の関係者が参加していることも評価する。
④:研究開発の成果が波及効果が高く見込まれるものを評価。

上記をまとめると、
(1)開発目的が明確かどうか?
(2)開発体制が整っているか?
(3)技術そのものが新規性、独創性又は革新性を有すること

Ⅱ.事業化面からの審査項目
序文:研究開発成果がコスト面において市場導入の可能性があるか
②:・販売促進戦略 ・事業化への実現性

経済産業局の担当者の方も仰っていましたが、この事業化をいかに行うかについては重要な部分になります。この事業化面については別コラムにて詳細に述べていきます。

Ⅲ.政策面からの審査項目
①:我が国の製造業の発展に資する計画であること。
②:国の施策等との整合性

以下で技術面と政策面の審査項目になるであろう点を述べていきます。

技術面の審査項目(1)開発目的が明確かどうか?


この点について皆さんは明確だと思います。しかし、それを審査員にしっかりと伝える必要があります。
(背景)なぜこの開発目的が必要になったのか?
(社会的なニーズ)この開発が社会全体からなぜ必要とされているのか?
(研究の主体性)なぜこの開発を自社が行う必要があるのか?

この3点をしっかり伝える必要があります。その上で本研究開発が
(誰に対して)※多くは川下製造業者に対してになります
(どういった効果があるのか)
を定量面はもちろん定性面からも伝える必要があります。

技術面の審査項目(2)開発体制が整っているか?


開発体制については総括研究代表者と副総括研究代表者をイメージされると思いますが、それだけではダメです。大学関係者や企業の研究担当者の名前、年齢、研究歴はもちろんのこと、誰が何の開発にどれだけ従事する予定なのかも書き出しましょう。

技術面の審査項目(3)技術そのものが新規性、独創性又は革新性を有すること


新しい技術の開発であれば、新規性を全面に押し出せば良いですが、実際は新規性をもった開発が難しいです。その場合は革新性を押し出す必要があります。ではどうやって革新性を訴えれば良いかというと、
・今までの類似技術との比較
・今までの自社内で取り組んできた技術開発との比較
を持ち出す必要があります。

政策面の審査項目(1)我が国の製造業の発展に資する計画であること


昨年度の採択実績をザッと見ても、製造業に関連した補助金の採択実績は、以下の通りとなっております。
全体で採択された企業が126件
うち製造業関連64件(測定に関する技術などは除きました。
※多少、誤差がある点はご容赦下さい。

やはり製造業関連の技術が有利であるため、この点は魅せ方を工夫する必要があります。簡単に言ってしまうと、ある程度は製造業にこじつけておくというのも大事です。

政策面の審査項目(2)国の施策等との整合性


この部分は研究テーマに関連してくる部分です。「製造業」以外のテーマとしては「健康」「自動運転」「AI」、「 IoT」などが採択される傾向にあります。医療を中心とした健康関連では126件中25件が該当しました。今年に申請を考えられている方で上記のテーマ以外に当てはまらない方は、「人手不足」、「プラスチックのゴミ問題」、「防災」、「農業の生産性向上」など近年社会問題化しているテーマを選んだ上で研究開発を行ったほうが本補助金は採択される可能性が高まると推測しています。

まとめ


(1)注意点のまとめ
・申請フローの注意点
先にe-Radを使って、サポイン補助金の申請を行っておく必要がある。
その上で、紙ベースで法認定を受ける必要がある。
・予算組みの注意点
特に1年目の予算を詳細に詰めておく。

(2)審査項目と書くべき項目のまとめ
・技術面のまとめ
開発目的を明確に伝えるために『背景』、『社会的なニーズ』、『研究の主体性』を伝える。その上で、『誰に対して』、『どういった効果があるのか』を伝える。
上記以外にも開発体制、技術そのものの新規性もしくは革新性を訴えていく。

・政策面のまとめ
研究テーマ選びが大事。特に、製造業関連が有利であり、他にも『健康』など社会生活に影響を及ぼす技術などが採択されている傾向にある。

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