先端設備等導入計画の書き方~パート2~

それでは、今回から先端設備等導入計画(以下「先端設備」)のフローと必要書類についてお話します。

先端設備の申請フロー


大まかなフローは前回ザっと説明しましたが、今回は深堀してお話していきます。
以下が先端設備の申請フローになります。

(1)申請書類の作成
     ↓
(2)認定支援機関から確認印を押印してもらう(3営業日~7営業日)
     ↓
(3)添付書類を集めて市区町村に提出
     ↓
(4)申請後、問題があれば修正
     ↓
(5)1~3週間後に認定

先端設備の必要書類


市区町村によってバラつきはありますが、申請に必要な書類は以下の通りです。

【必須】
①認定申請書
②計画書(別紙)
※①と②は公開されているデータが分割されているときもありますが、基本的には1つでまとめて申請してOK
③認定支援機関確認書
④誓約書
⑤工業会証明書

【市区町村により異なる】
⑥チェックシート
⑦暴力団排除に関わる誓約書
⑧税金を滞納していないことを証明する書類
⑨返信用封筒
⑩その他

①と②については詳しく説明していきます。

先端設備申請書の書き方


それでは、先端設備の必要書類の中でも最も問い合わせ内容が多い次の2つについてお話します。
①認定申請書
②(別紙)計画書

まず始めにどうやって記載するかについては、お答えする事ができません。理由としては、申請先である市区町村によって『正解』が変わるからです。
例えば、大阪市では代表者の氏名の記載について「代表取締役 ●●」にしてほしいという修正指示がありました。逆に代表取締役を外して記載するように指示のあった市区町村もありました。このように市区町村によって正解が変わるため、具体的な記載方法を例示することができませんので、ご了承して下さい。

自社で先端設備の取得を考えられているお客様からよく耳にする問い合わせ相談内容としては・・・
「何を書けば良いのか?」
「どれぐらいの分量を書けば良いのか?」
といった相談を持ちかけられます。

先端設備施行当初は記載例が公表されていたため、当社としてもおおよそこれぐらいは書かないと認定は受けられないのかと考え、文量を多めに書いておりました。

先端設備等導入計画

(中小企業庁が公開している先端設備の記載例から一部抜粋)

ただ、長い文章にすることで市役所の担当者からは「この記載内容についてはどういう意味ですか?」といった突っ込みを受けることもありました

おおよその目安としては5~10行程度を目安に記載されると、私の経験上ほとんどの市区町村でOKがもらえます。

特に市区町村担当者が目を通す「自社の取り組み」について重点的に説明させて頂きます。私は以下の点に気をつけて文章を組み立てていますので、初めて取り組む方は参考になさってください。

①(Why) なぜこの事業に取り組む必要があるのか?
②(What)何を導入して労働生産性の向上に取り組むのか?
③(HOW)どうやって目標数値を達成するのか?

先端設備等導入計画 大阪

文章をどう作るか?


それでは、実際に作文していきましょう。
『』が申請書の文章です。
※赤字は補足です。

『本計画では以下の課題に取り組む。
 ・人手不足に悩む中小企業に対する人事コンサル、人材紹介』
(まず、簡単に何をするのかを書いておきましょう)

『本事業を行うことになった背景は、昨今の好景気もあり、当社の顧客であるサービス業界、製造業界ともに仕事量が増加しており人材の需要が活発であるが供給面が追いついていない点である。』
(背景を書いて説得感を持たせます。他の例文としては、事業承継を予定しているため新たな体制づくりを行っている、業態を変更するため新規事業を立ち上げている、取引先の業績が悪化したことで売上の分散化を図る必要が出てきたため…etc)

『少子化による若年者の減少、また企業がコストをかけて人を集めてもすぐに離職してしまうなど企業と人材とのミスマッチングの問題が見受けられるなど課題が山積している。』
(自社や他社が抱えている問題を挙げる)

『そのため、当社では人材紹介業を立ち上げ、また顧客先に応じてBPOやバックオフィスの自動化推進を提案していくことで中小企業の人手不足問題に取り組むことになった。社内で検討した結果、本事業を行うためにクリアすべき課題は以下の2点であるとの結論に達した。』
(上記の流れを踏まえた上で、『なぜこの設備投資を行う必要があるのか?』を述べると読みやすくなります)

『①人材紹介を立ち上げるにあたって採用企業とのミスマッチングを防ぐ。
 ②バックオフィスの自動化とBPO受託のために社内で自動化ツールを導入する。』
(問題を課題に設定し直すことで、何を導入するかが明確になります)

『上記課題を解決するために以下のシステム利用とシステム導入を行うことを決定した。
①に対しては、
クラウド型支援サービスの「●●」を利用する。
②に対しては、
PC作業などの自動化ツールである「▲▲」を導入する。』
(何を導入するか)

『「●●」を利用することで、現在需要が高い若い年齢層に対してアプローチをかけることができるようになり、結果として当社の営業利益に貢献する。また、「▲▲」を導入することでバックオフィス関連の業務工数を軽減することが可能になり、営業利益の貢献に寄与することになる。
(どうやって目標数値を達成するか)

当社の試算によれば、労働生産性を3年間で10%改善させることができ、目標数値である年平均3%を達成することができる見込みである。』

思った以上に文章が長くなってしまいましたね(゚ー゚;

これだけの文量は必要ありませんが、必要な項目を網羅して書いておけば手直しが少ない、もしくは無くなることがお分かりになるかと思います。

先端設備等導入計画 大阪

まとめ


・認定書がもらえる期間は書類作成~認定までは2週間~1ヶ月ぐらい

・必要書類は、次を準備する
 ①全市区町村で居移して求められる書類
     +
 ②各市区町村で求められる書類

・特に審査のポイントである「自社の取り組み」の部分を書き出す
 「なぜこの事業なのか、何を導入するのか、どうやって数値達成できるのか?」を書き出してみましょう。

先端設備等導入計画でお問い合わせのある方は是非ご連絡下さい。
↓↓↓
info@suncredo.com 補助金担当

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